55-1: 畑から国宝~ 中空土偶
所在地: 北海道函館市 臼尻町551-1
取材時期:2019年4月
ジャンル:展示系
珍スポ度:☆☆☆(☆五個が最高得点)

現在は外出自粛となっているため訪問できませんが、昨年夏に取材してきたまま放置されていた北海道唯一の国宝「かっくう」君の報告を忘れておりました。今回の連休はStay @ Homeですので久しぶりにニカ家のページを更新したいと思います。
さて、問題の土偶は1975年に芋栽培のために畑を耕そうとしていたさいに偶然発見された。土偶としてはかなり大ぶりであり、発見当初から重要文化財扱いであったが、2007年に格上げされ北海道唯一の国宝となったのだ。茅部の中空土偶ということで「かっくう」君という愛称まであるというではないか!函館に住んでいる以上、取材せねばなるまい、ということで道道83号を東へ。噴火湾に出る直前で国道278にぶつかるので、それを北上すること15分くらいであろうか。異常に立派なバイパスのよこに、これまた異常にりっぱな道の駅?が。「縄文ロマン 南かやべ」である。ここに併設されているのが「函館市縄文文化交流センター」であり、例の「かっくう」君が鎮座しているらしいのだ。
早速入館料300円を支払い取材開始。まずはパネル展示で縄文文化、とくに北方縄文文化とは?の解説から始まる。このあたりはお堅い資料館的な導入で、まあ無難なものだろう。さて順路通りに階下へ進むとかなり広い展示空間が広がり、ところ狭しと縄文~弥生の土器たちが並ぶ。さらに翡翠や漆片なども出土しているところをみると、3000年前にすでに本州との貿易があったことがうかがえる。さらに進み第三展示室。まだ真打ちは登場しないが、可愛らしい足形を押した土版などもあり飽きさせない。
いよいよ国宝土偶さまの登場である。高さは50cmくらいはあろうか。以前国立博物館で見た遮光器土偶(巨大化したものは出土地である青森は木造駅にもいる)よりずっと大きい。しかも「しゃこちゃん」は重文なので、「かっくう」のほうが格が上だ・・、って比較する問題でもないだろう。ただし、造形は「しゃこちゃん」のほうが宇宙的でかっけ~と感じる人も多いのでは?とはいうものの、やはりその大きさと立派さはたいした物。後ろにも回り込めるので、後ろ姿もしっかり堪能させていただいた。これで一応取材終了。出口付近には昔懐かし土偶顔ハメもあるので注意要!茅部はこのほかもう少し北上したところに「ひろめ荘」という温泉旅館があり、日帰り湯もいただけるとのこと。帰りにちょっと寄ってみたところなかなか良い温泉でした。